★ Ryu の 目・Ⅱ☆ no.121

明けましておめでとうございます。
Ryuの目、本年も宜しくお願いします。

政権が交代しました。
制御不能になることを見せつけられた原発に対する意識の変化は、選挙結果からは窺えなかったように思います。
「礫熱しやすく、冷めやすい」気質なのでしょうか?
結果、脱原発の方向性は怪しくなりました。
右傾化も気になるところです。

年明けの八ヶ岳甲斐駒ヶ岳の表情をお送りします(写真貼付)。
気分一新、今年も頑張るぞ!!

では《Ryuの目・Ⅱ−no.121》をお楽しみ下さい。


◆今月の風 : 話題の提供は滝本 加代さんです。

−仕事初め−

あけましておめでとうございます!
今年初めての話題提供者として指名されました。ということは、明るい話題がいいですね。実は「医者に嫌われる患者とは」なんて話題はいかがかなと、思ったのですが、「患者に嫌われる医者とは」という反論が予想され、はい、正月早々、穏やかでない論争は避けたいので、諦めます(笑)で、日々思うことを書いてみます。

注射器の一箱届く初荷かな  香世

とうとう66歳になりました。町医者は、健康に問題ない限り、何時まで仕事をやるかは自分で決めることになります。同窓生は、第一線を退き、ゆったりとした時間を、やりたかったことやボランティアに過ごしています。ちょっと悔しいので、月に一日分の休診を入れてみました。ところが、なにか逃げているようで楽しくないのです。で、悟りました。仕事が好きなんだ。だったら頑張って働いて、年金をもらわないで(泣)、税金を払って、日本のために尽くそうじゃあないかと。それに、この仕事は、間に、メーカーも問屋も流通業者も上司も入らないで、直、消費者(♪)とコミュニケーションがとれ、すべて自己責任で自己完結で恨みっこなしがいいじゃあないかと。

手話交へ聴力検査室小春   香世

「患者さんにやさしい先生ですか?」なんて質問が医師のネット掲示板にありました。一番、賛同者の多かった医師の答えを紹介しましょう。
「良い診療を、正しい診療をしたい! 患者に良くなってもらいたい!100%満足していただきたい! 理想の医療を追求したい・・・などと、無意識のうちに気張っておりました・・・開業当時は。それで、きつい口調になったり、患者とやりあったりしていました。??開業10年を経た今では、すっかり志も失くし、正直、もーどーでもいいづら。金さえ入って、楽ができれば。オラと合わねー患者は、さっさと他所へ行けばいいづら。、てな具合に・・・。そうしたら、腹も立たなくなりました。でも、やる気をなくしてからの方が患者が増えたみたいで、何だか複雑づら。」
勿論、変化球のコメントですよ。

救急の手配終へたる霜夜かな  香世

とは言え、気楽な稼業だけではありません。緊張する場面もあります。紹介のタイミングを間違えると患者さんの命にかかわります。無事に運んだ直後は、手が震えてカルテの字が歪みます。

冬帽の子の待つナース控室   香世

そして、歳をとることは、間違いも多くなります。無事に診療を続けられているのは、支えてくれるスタッフのお陰です。うちのスタッフは、美人が多いんですよ。ほんま。患者さんからも言われたので「厳選してますから!」と、答えると、そばのスタッフ達はおおはしゃぎでした。64歳から35歳まで、ちょっと平均年齢は高いけど、明るくて親切で院長よりしっかりしていて、いいチームです。と、言うことで、仕事大好き人間のつぶやきでした。

診察の百歳の声さやかなり    香世

..(医)滝本耳鼻咽喉科...............................................................
http://park3.wakwak.com/~takimoto-jibika/




◆今月の隆眼−古磯隆生(http://www.jade.dti.ne.jp/~vivant

−移住生活・その8−

新しい年を迎えました。畑の野菜作りも昨年の11月でほぼ終わり、冬の時期に入りました。5月から半年間に及んだ初めての野菜作り(移住生活の当初の予定には無かった)は思いもかけずたっぷり楽しむことが出来ました。出来映えは、なかなかイメージ通りには行きませんでしたが、それでもなかなかのものと自負(?)しています。特に、生姜は農家の方に褒められました。ただ、土壌との適合性や種まきの時期を間違えると生育が良くないことも知らされました。急に寒くなったので、ミニビニールハウスも作りましたが、あまり上手く行きませんでした。毎日少しづつ、雑草取りと虫とりを繰り返し、時々肥料を撒きます。
自然を前に、“繰り返し”と“辛抱”を求められる時間帯でした。これは以外にも苦痛ではありませんでした。そして、待ちに待った収穫の喜び!このとてもシンプルな感動は心身共に活性化させられる思いでした。

収穫は、ジャガイモ、ナス、トマト、キュウリ、ツルナシインゲン、サトイモ、ショウガ、ネギ、ピーマン、パプリカ、オクラ、エダマメ、カボチャ(失敗)、白菜、ダイコン、ラディッシュ、春菊、冬菜、ルッコラでした。来年の春に向けては、ラッキョ、タマネギ、ニンニクを植え、寒い冬を越します…春が待たれます。収穫したダイコンの一部は畑に埋めてストックしました。必要に応じて掘り出しますが、この時期、土は凍っていて、掘り出すのも一仕事です。収穫を終えた畝はそのままにして冬を越し、12月は来年の畑作りに向けての準備に取り掛かりました。とりあえずは、家の周りの枯葉を集めてストックします。これは、来年、寒さが和らいできた頃にこの枯葉を畑に撒き、微生物の繁殖を促し、土の活性化を図ります。薪ストーブに出来た灰も土作りに大切なものです。自然のサイクルの中では、無駄なものは出ません。いい経験です。
これまでの生き方をゆっくりと見つめてみる時間帯でもあります。

自作の野菜が食卓に上る。勿論、化学肥料は使いませんし、自分で確認して作っているわけですからたとえ虫食いがあろうが安心です。そして、この野菜で来客を迎える。これは楽しい経験でした。来期は今期の失敗も生かして再び挑戦です。3年半が経過して環境に慣れ、五感が刺激される日々です。



◆今月の山中事情81回−榎本久・宇ぜん亭主

−総選挙−

あけましておめでとうございます。本年も山中事情をご高覧たまわりますこと何卒よろしくお願い申し上げます。
さて、三年余の惨憺たる民主党による政治が終焉しました。「自爆テロ解散」と揶揄した(田中真紀子)旧臘の総選挙は、全ての国民が予想したであろうごとくの結果に相成りました。その結果、又ぞろ旧態の方々がそこかしこから顔を覗かせています。
今回の選挙は、投票率が前回を大幅に下回り、各政党も得票数をこれ又大幅に下げました。そして十二党もの乱立が政権担当能力(?)の経験を持つ自民党に有利に働いた(小選挙区制の恩恵多大)。わずかひとけたの議員しか有しない政党の乱立と、いつかどこかで見知った連中にすこしも新鮮味を感じないことも自民党を利したのだ。加えて、白票を投じた有権者も史上最多とのことで心ある有権者の混乱が投票行動に見てとれます。こういう状況下の選挙でありながら、いったいどの位の議員がこの結果に心を痛め、憂いを持ったのだろうか。おそらくは「当選」のみに酔い、そのようなことは枝葉末節のことであろう。

民主党は二大政党制を標榜し、様々な政策を羅列したが、現実に直面し、スローガンで終始した。結果的には多くの国民を欺くことになり、この選挙は当然の報いなのだが「未だ国民が真の政治に対し未熟だ」と嘘ぶいて、自らの政権担当能力の未熟さを知ろうともしない。再び野党となった彼等に望むことはない。敢えて言うなら、自民党連合の暴走をチェックすることがせめてもの責任政党としての責務だが、それもせず議員特権に座し、高額の生活保護受給者であり続けるだけなのかを見届けたい。
民主党政権の成立と挫折によって我々は多くのことを学んだ。政治は決して全てを片付けることをせず、置き去りもするのである。愚痴になるので言いたくないが、民主党にそんな期待をかけていたのだっけ。
再び自民党に政権が移った。とは言っても民主党以前の政権は自民党だった。今日の日本の不安定要素を呈した諸々の根幹を作ったのは自民党にある。
「戻す」と言うが、何をどう戻すのかをこれも又見届けなければいけない。過度の期待は又「肩すかし」を喰らうことになるので禁物だ。つまるところ国民という者は、これまでしてきた通り自分のことは自分で片付ける以外、政治にそれを求めても埒は明かないことを知った。幻想を持たず、自己責任にて今後は暮らすべし。

宇ぜんホームページ
  http://www012.upp.so-net.ne.jp/mtd/uzen/