★ Ryu の 目・Ⅱ☆ no.83

各地の方々、今年の紅葉は如何でしょうか?
私は唐松の紅葉を求めて北杜をうろつきましたが、時期を逃してしまった様でした。
唐松の名残紅葉写真と八ヶ岳の秋の写真を添付します。

では《Ryuの目・Ⅱ−no.83》をお楽しみ下さい。


◆今月の風 : 話題の提供は真宅寛子さんです。

−ドイツの捨て犬たち−

ドイツにも飼育出来なくなった犬や捨て犬がいるが日本と対応が全く異なる。行政の手による殺処分はいっさいない。ベルリンにあるティアハイム ベルリン動物保護施設のクリスティーネ、エメリッヒ区長は「日本では年間約10万匹の犬が捨てられ、ほとんどが行政に殺処分されているようですが、先進国として考えられない行為で動物を殺すことは悪いことだという基本的な啓蒙が必要」だと断言している。ドイツの保護施設は規模は大小ことなるが約500あり、庭つきの個室を含めた建物にドッグランや芝生のしきつめられた広場などで、順番に数匹ずつだしてもらえ他の犬たちと仲良く遊ぶことができ床暖房まである寝室など、手厚くケアされている。ティアハイム ベルリンは1901年に設立され、2001年におよそ50億円かけて建て替えられた。約100人のスタッフが世話をし、病気や怪我をしたら十数人いる獣医師がすぐに治療し、かみ癖やほえ癖があればしつけもする。一連の取り組みはすべて「ドイツ動物保護協会」が運営し年間8億円かかる費用はほとんどが寄付でまかなわれている。各個人や企業の意識が高いので国や自治体からの資金援助にたよるひつようがないそうだ。拘留期間はなく、新たな飼い主が見つかるまで、快適な施設ですごす。
犬を飼いたいと思うドイツ人はまずティアハイムを訪れ自分の犬として受け入れられるか冷静に検討し、希望の犬を決めたら質問表に記入し、飼育環境や家族構成など詳細に答え、保護期間中にかかった経費の一部を支払い、ようやく受け取ることができる。1,2ヶ月後にアポイントなしの訪問検査もおこなわれる。盲導犬でさえュ―ザーに渡った後、アポなしの訪問検査のない日本となんと大きな違いかとため息がでる。平日は3匹くらい、週末には8匹ていどが新たな飼い主と出会い施設をあとにする。年間2000ひき、収容した犬の98パーセントがもらわれていくそうだ。
ドイツは1匹も殺さず新たな飼い主が見つからない場合でも提携している終生飼育施設に譲渡して最後まで面倒をみてもらえる。たった4日目に苦しいガスで殺される日本の犬や、1日目に殺される猫たちは日本で生まれたことだけで、不条理にさらされている。同じ税金を使うのなら、聞いて誰もが幸せな気持ちになり、動物達も幸せに生きていける道にかえなければ、いつまでも不幸の連鎖はたち切れない。

ドイツには犬の保護に関する犬法がある。鎖でつなぎぱなしにしないとか、子犬を生後8週齢以下で母犬から離してはならないなど、違反すれば数十万から数百万の罰金が科されるペットショップやブリーダーにも適用される。日本のように流行にあわせて子犬を大量生産されることもない。また犬税まであり、1匹につき1、2万円で2匹目から2,4万円年間支払う。法制度とともに安易に犬を飼うことへの抑止力になっているようだ。
こうしてみると日本の犬や猫は本当に悲惨だ。政権も変わることだし、動物に対する行政のあり方、日本人の意識を変えるべきときがきたという思いが新たにわきおこる。
      豊中動物愛護グループ   真宅寛子



◆今月の隆眼−古磯隆生

−住処探し・その3−

「現代という時代は“便利さ”が人から想像力を奪い、退化させているのでは…」
2005年7月、そんな思いを頭の隅に残しながらの住処探し開始です。
土地勘も何もない我々にとってまずは神奈川、静岡、山梨の関東西エリアをひと通り廻って見ることから始まりました。月刊誌「田舎暮らし」、や「ふるさとネットワーク」などの雑誌を片手に車での無手勝流散策開始です。
たまたま初めて訪れたのは神奈川県の南足柄でした。「何となく穏やかでいいところ」の印象が残っています。緑深い大雄山にも行きました。歴史ある最乗寺にはその伽藍配置に不思議な魅力を感じました。天狗の像がその不思議さ助長の一要因になったかも知れません。町自体にはさほどの印象は残っていません。山側には別荘地帯もが広がっていました。歴史を持つ自然豊かな環境のイメージでしたが、土地代も高そうな感じだし、他人事の様な感覚で見ていたのを覚えています。自分達が手に入れられるとしたらもっと田舎で不便な安いところだろうから。
二週間後、今度は湯河原方面を訪れました。やはり温泉に魅かれ、どんなところか興味がありました。山側から下ってこの地域に入りましたが、結構急な斜面が拡がり、途中お年寄りが坂道を歩いて上っていましたが、高齢者には住み辛いだろうなとの印象を受けました。また、ある意味で東京に近すぎます。東京の痕跡、香りがあちこちに感じられ、東京を離れた気分になりません。ここは住処にはならないな…。

湯河原から真鶴に向かいました。真鶴半島は風光明媚なところで、中川政一美術館もあり、なかなか素敵な人気スポットです。それだけに夏の時期は海水浴客を含め道路はとても混雑します。一般的に、関東の海側は、夏の海水浴客の車で道路は渋滞が激しく、移動に道路の選択肢が無いようです。この日も車は多く、半島にさしかかるところで車が接触してしまいました。右折しようとしたところ、後ろの車が右側から追い越しをしようとしたからです。マナーの悪い車で、先方と交渉しようと交差点を避けて車を停めましたが、何と先方は逃げてしまいました。当て逃げです。地元の車では無さそうでした。
この事故は、道路の混雑で印象を悪くしていたところに拍車をかける要因になりました。一通り半島を巡りましたが、夏の時期はここには住めないな…。この年はこの2カ所を訪れただけでした。
つづく



◆今月の山中事情−榎本久(飯能・宇ぜん亭主)
 
榎本さんの回復にまだ少し時間がかかるようですので、山中事情は今月もお休みさせて頂きます。