★ Ryu の 目・Ⅱ☆ no.24

◆今月の風 : 話題の提供は奥山健二さんです。

羽田空港の新しい第二空港ターミナルとユニバーサルデザイン

この12月1日にANA全日空)とAIRDO(北海道国際航空株式会社)が羽田空港第2旅客ターミナルに移り共用を開始した。札幌に居住し東京と北海道を頻繁に移動する建築家としてその頻繁に利用する施設について一言苦言を申し上げたい。最近では、世の中をあげて、ユニバーサルデザインを取り入れて老若男女、健常者や障害者の、全ての人が安全で快適に利用できるように施設やものを計画・設計している風潮がある。そのユニバーサルデザインの7原則とはすべてのひとにとって、できる限り利用可能であるように、製品、建物、環境をデザインすることとある。

以下がそれらで、
① 誰にも公平に利用できること
② 使う上で自由度が高いこと
③ 使い方が簡単ですぐわかること
④ 必要な情報がすぐに理解できること
⑤ うっかりミスや危険につながらないデザインであること
⑥ 無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること
⑦ アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること。

さて、羽田空港第2旅客ターミナルであるが、札幌からAIRDOに乗って始めて到着して戸惑ったのは飛行機から降りて出口まで狭い細長い空間を延々と歩かされ何処まで行ったら出口になるか不安であった。約500メートルで出口のロビーへ出て、それから京急の電車かモノレールへ300メートルから500メートル位歩かなければ、乗り物に乗って「よっこらショ」と座席を獲得できないのである。筆者は旅行慣れと建築家で空港計画の経験あるため大体の予測は着くので不安は少々で済むのであるが、素人はかなりの不安になること請け合いである。その点、この新空港ターミナルは上記のユニバーサルデザイン7原則の①、②、③、④、⑦に適合していない消防庁の〇敵施設とはいえない(?)。

ところで、ここで筆者自身をご案内しておきますと、年齢61歳で老化が始まりかけ、4人の子持ちで経済的に余裕がない独身、出張旅行には着替えや洗面道具、雨具、書類など5kgから10kgを背負っての移動である。そのためJALANAなどのメジャーな航空会社のチケットでの旅行は控えており、その3000円から5000円安いチケットのマイナーな後発会社(一度破産しANAに援助を受けて配下同然である)の少々安い便を利用するためであるが、マイナー航空会社はターミナルのメインホールから一番端の遠い末端に登場口が配置されている。それにしても子供連れの一般的な主婦や老人は社用族の公費出張と違って自費の旅では経済的に安い便を利用するため、それらの利用率は高いのである。

一般に買い物や乗り物の行動で、手荷物を持って気楽に努力しないで歩けるのは300メートルから500メートルと言われている。それが新空港ターミナルでは1000メートル近く歩かされるのである。建設コストを削減するためか、利用者密度が高いのに幅の狭い細長い、しかも、方向支持や航空会社の利用カウンターのサインも見難い平面構成で不安を駆り立て、無理やり歩かせられるのである。そこでの計画屋は免罪符として、動く歩道や電動カートも備えているがカートには運転者や説明も無かったように思う。散歩や運動のために自宅近くを移動するのではなく、荷物を持ってこれから旅に出たり、慣れない不安な不親切な大都会東京に一歩を下ろしたとたんに、この不安を増長する施設はいただけない。
皆さんも是非、このような色々な面で弱い利用者を無視した新しい公共建築の管理者である国土交通省や空港運営会社や設計者に声を大にしてこの施設は不特定多数の利用者にとって「ノー」と、また改善すべきは指摘し、利用者の権利を出張すべきである。
  

◆今月の隆眼−古磯隆生

「一市民としてのまちづくり」

 一昨年、〈 まちの風 〉というグループ名で三鷹市でのまちづくりボランティア活動を開始していましたが、2年半かかってようやく一つの成果品が出来上がりました。「みたか歩行者・自転車 快適ルートマップ」と名付けられたA2サイズの地図です。一月程前に3000部を自費出版し、一部100円で市内で販売し始め既に2000部程が売れています。
 自動車への依存度を過剰に高めてきている今日のまちづくりを再考すべき時期にきているとの認識から、市民が自分たちの住んでる身近な環境のあり方を考える契機、手がかりの一つとして歩行や自転車による移動を大切にしてみようとの考えからです。勿論これは車を使用しないと言うことではありません。地方においては車無しでは生活できないのが現状ですから。問題は車への偏重依存により大気汚染、騒音、交通災害等、様々な問題が発生して久しい状況にあるということです。
 そこで身近な生活道路を歩行者や自転車(自転車による事故も見逃せません)が安全に、便利に、快適に利用できる生活道路ネットワークの構築を試みました。道路は「よく使われる道、快適な道」、「通ってみたい道」、「車は多いが、歩道が広い道」、「車が多く、歩道がなかったり狭い道」の4つのカテゴリーに分けられ、市域の特徴を伝える農家の庭先販売所、井戸を残してる場所、四季折々の景観を楽しめるスポット、生産緑地などの緑の拡がりのあるスポット、その他トイレの借りられるコンビニ、ベンチの置かれてる場所、郵便ポスト、自転車店、救急病院や利用頻度は高いが以外に見つけにくい整形や外科診療所、等々の情報が盛り込まれています。
 車での移動とは違って、歩行や自転車による移動から見えてくるもの…身近な場所に《マイいいとこ発見》を通して、生活に根ざした感覚の中でまちづくりの大切さを培う契機なればとの思いです。ご希望の方には1部100円でお分けします。


◆今月の味覚−榎本久(羽前亭主)

イワシの開きを作ろう」

イワシがいなくなったとは言え人間が直接食べる量は数%程度のことで、あとは養殖用の飼料として消費されているのが本当の姿です。養殖用のイワシが今問題になっているのです。ですから人間が食べる量はこれからも心配しなくて大丈夫ですが、要は値段の問題になっています。庶民の魚の代表として君臨してきたイワシも家庭のテーブルに魚そのものがメニューとしてのることが少なくなって久しい現在では、ましてイワシのような小骨だらけの小さな魚をご飯のおかずにしているご家庭は百軒に一軒ぐらいのように私は思います。私の店ではイワシを食べるチャンスのない方に一夜干しを作っています。
頭を落とし開きにしして中骨も全部取って水洗いし、塩水にも酒水にも漬けず開いたままのイワシに金串を刺し扇風機の弱い風を一晩あてます。遠赤外線の焼台で干したイワシをじっくり両面焼きますと脂がしたたり落ち、いい色になってきます。ポン酢の浸み込んだ大根おろしを熱々のイワシにのせて召し上がっていただいて居ります。渋味のあるイワシの味が大変よろしいのです。一寸「さばき」が面倒ですが、イワシと金串を吊すヒモがあればすぐ出来ます。注意すべき事は風が対流していることです。密閉された部屋に吊しているだけでは腐ります。



◆今月の風 : 話題の提供は奥山健二さんです。

羽田空港の新しい第二空港ターミナルとユニバーサルデザイン

この12月1日にANA全日空)とAIRDO(北海道国際航空株式会社)が羽田空港第2旅客ターミナルに移り共用を開始した。札幌に居住し東京と北海道を頻繁に移動する建築家としてその頻繁に利用する施設について一言苦言を申し上げたい。最近では、世の中をあげて、ユニバーサルデザインを取り入れて老若男女、健常者や障害者の、全ての人が安全で快適に利用できるように施設やものを計画・設計している風潮がある。そのユニバーサルデザインの7原則とはすべてのひとにとって、できる限り利用可能であるように、製品、建物、環境をデザインすることとある。

以下がそれらで、
① 誰にも公平に利用できること
② 使う上で自由度が高いこと
③ 使い方が簡単ですぐわかること
④ 必要な情報がすぐに理解できること
⑤ うっかりミスや危険につながらないデザインであること
⑥ 無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること
⑦ アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること。

さて、羽田空港第2旅客ターミナルであるが、札幌からAIRDOに乗って始めて到着して戸惑ったのは飛行機から降りて出口まで狭い細長い空間を延々と歩かされ何処まで行ったら出口になるか不安であった。約500メートルで出口のロビーへ出て、それから京急の電車かモノレールへ300メートルから500メートル位歩かなければ、乗り物に乗って「よっこらショ」と座席を獲得できないのである。筆者は旅行慣れと建築家で空港計画の経験あるため大体の予測は着くので不安は少々で済むのであるが、素人はかなりの不安になること請け合いである。その点、この新空港ターミナルは上記のユニバーサルデザイン7原則の①、②、③、④、⑦に適合していない消防庁の〇敵施設とはいえない(?)。

ところで、ここで筆者自身をご案内しておきますと、年齢61歳で老化が始まりかけ、4人の子持ちで経済的に余裕がない独身、出張旅行には着替えや洗面道具、雨具、書類など5kgから10kgを背負っての移動である。そのためJALANAなどのメジャーな航空会社のチケットでの旅行は控えており、その3000円から5000円安いチケットのマイナーな後発会社(一度破産しANAに援助を受けて配下同然である)の少々安い便を利用するためであるが、マイナー航空会社はターミナルのメインホールから一番端の遠い末端に登場口が配置されている。それにしても子供連れの一般的な主婦や老人は社用族の公費出張と違って自費の旅では経済的に安い便を利用するため、それらの利用率は高いのである。

一般に買い物や乗り物の行動で、手荷物を持って気楽に努力しないで歩けるのは300メートルから500メートルと言われている。それが新空港ターミナルでは1000メートル近く歩かされるのである。建設コストを削減するためか、利用者密度が高いのに幅の狭い細長い、しかも、方向支持や航空会社の利用カウンターのサインも見難い平面構成で不安を駆り立て、無理やり歩かせられるのである。そこでの計画屋は免罪符として、動く歩道や電動カートも備えているがカートには運転者や説明も無かったように思う。散歩や運動のために自宅近くを移動するのではなく、荷物を持ってこれから旅に出たり、慣れない不安な不親切な大都会東京に一歩を下ろしたとたんに、この不安を増長する施設はいただけない。
皆さんも是非、このような色々な面で弱い利用者を無視した新しい公共建築の管理者である国土交通省や空港運営会社や設計者に声を大にしてこの施設は不特定多数の利用者にとって「ノー」と、また改善すべきは指摘し、利用者の権利を出張すべきである。
  

◆今月の隆眼−古磯隆生

「一市民としてのまちづくり」

 一昨年、〈 まちの風 〉というグループ名で三鷹市でのまちづくりボランティア活動を開始していましたが、2年半かかってようやく一つの成果品が出来上がりました。「みたか歩行者・自転車 快適ルートマップ」と名付けられたA2サイズの地図です。一月程前に3000部を自費出版し、一部100円で市内で販売し始め既に2000部程が売れています。
 自動車への依存度を過剰に高めてきている今日のまちづくりを再考すべき時期にきているとの認識から、市民が自分たちの住んでる身近な環境のあり方を考える契機、手がかりの一つとして歩行や自転車による移動を大切にしてみようとの考えからです。勿論これは車を使用しないと言うことではありません。地方においては車無しでは生活できないのが現状ですから。問題は車への偏重依存により大気汚染、騒音、交通災害等、様々な問題が発生して久しい状況にあるということです。
 そこで身近な生活道路を歩行者や自転車(自転車による事故も見逃せません)が安全に、便利に、快適に利用できる生活道路ネットワークの構築を試みました。道路は「よく使われる道、快適な道」、「通ってみたい道」、「車は多いが、歩道が広い道」、「車が多く、歩道がなかったり狭い道」の4つのカテゴリーに分けられ、市域の特徴を伝える農家の庭先販売所、井戸を残してる場所、四季折々の景観を楽しめるスポット、生産緑地などの緑の拡がりのあるスポット、その他トイレの借りられるコンビニ、ベンチの置かれてる場所、郵便ポスト、自転車店、救急病院や利用頻度は高いが以外に見つけにくい整形や外科診療所、等々の情報が盛り込まれています。
 車での移動とは違って、歩行や自転車による移動から見えてくるもの…身近な場所に《マイいいとこ発見》を通して、生活に根ざした感覚の中でまちづくりの大切さを培う契機なればとの思いです。ご希望の方には1部100円でお分けします。


◆今月の味覚−榎本久(羽前亭主)

イワシの開きを作ろう」

イワシがいなくなったとは言え人間が直接食べる量は数%程度のことで、あとは養殖用の飼料として消費されているのが本当の姿です。養殖用のイワシが今問題になっているのです。ですから人間が食べる量はこれからも心配しなくて大丈夫ですが、要は値段の問題になっています。庶民の魚の代表として君臨してきたイワシも家庭のテーブルに魚そのものがメニューとしてのることが少なくなって久しい現在では、ましてイワシのような小骨だらけの小さな魚をご飯のおかずにしているご家庭は百軒に一軒ぐらいのように私は思います。私の店ではイワシを食べるチャンスのない方に一夜干しを作っています。
頭を落とし開きにしして中骨も全部取って水洗いし、塩水にも酒水にも漬けず開いたままのイワシに金串を刺し扇風機の弱い風を一晩あてます。遠赤外線の焼台で干したイワシをじっくり両面焼きますと脂がしたたり落ち、いい色になってきます。ポン酢の浸み込んだ大根おろしを熱々のイワシにのせて召し上がっていただいて居ります。渋味のあるイワシの味が大変よろしいのです。一寸「さばき」が面倒ですが、イワシと金串を吊すヒモがあればすぐ出来ます。注意すべき事は風が対流していることです。密閉された部屋に吊しているだけでは腐ります。