2 (注の注) カズオ・イシグロを英語で読もうと思ったところ、洋書はアマゾンでもやたら高い。しかしKindle版(電子書籍)は何と100円!

スマホKindleアプリを入れて買ってしまった。図書館有料化の案もこれに負けるのか? 饅頭怖い、アマゾン怖い。



◆今月の隆眼−古磯隆生
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− 移住生活・その31 −

2009年5月に移住して以来、山梨で9回目の新年を迎えました。
気持ちはすっかり山梨人間か。

さて、今年は例年より寒くなるのが早いように思います。この時期の畑はタマネギ、ニンニク、エシャロットの越冬のみで、他は5月まで休耕です。越冬する野菜の追肥は2,3月ころで、収穫は5,6月ころです。この間の畑作業はあまりありませんが、5月植え付け用の苗を育成させる作業は2月頃から徐々に始まります。
この数年天候不順が続き、我が畑の野菜収穫はなかなか思うように行きませんでしたが、それでも昨秋物は前年に比べて何とかましでした。と言ってもダイコン、白菜、サツマイモです。一昨年は植え付けの時期を失してしまい散々な出来でしたので、昨年は少し早めに植え付けをしました。しかし、例年に比べて冷え込みが早く、その影響は成長具合に如実に顕れました。野菜に限らずでしょうが、自然界は天候に非常に敏感です。鈍感なのは人間だけかも知れません。

昨年は種の育成からの挑戦を試みました。それまでは種苗店で苗を購入して畑に植えていましたが、それなりの費用が掛かるのと、種からやってみたいとの気持ちが芽生え試みることにしました。種苗店で買った種は別として、前年の収穫物からとった種はネギ、トマト、キュウリ、オクラ、ゴーヤ、ピーマン、花オクラでしたが、結局発芽したのはネギ、トマト、花オクラのみで、F1種の物はやはり殆どが発芽せずダメでした(キュウリだけ1本芽が出ました)。

花オクラの種は初めてで、知り合いから送ってもらったのですが、気温がなかなか上がらなかったせいか芽を出したのは3本だけで、それも成長が遅く夏も後半になってやっと成長を始めました。9月位から花も順調に咲くようになり、10月始めまで毎晩花を食しました。オクラの香りと粘りと食感の味わいはとてもいいものでした。種もとれたのでこの夏も楽しみです。
昨年収穫した松本一本ネギの種は冬に芽を出させ、5月に畑に植えましたが順調に成長し、我が食卓を楽しませてくれました。
今年も種からの育成に挑戦です。いずれ自分なりのノウハウが・・・を期待して。

自然は様々な表情を見せます。畑をやってるとそのことをよく実感するのですが、季節の変化は当然としても、ちょっとした天候の変化、わずかな気温の変化にも反応します。
そのことがまた限りなく感性を刺激します



◆今月の山中事情141回−榎本久・宇ぜん亭主

−まんじゅう−

 日輪の大きな丸や初明かり   ひさし

年頭にあたり、本年もよろしくお願い申し上げます。
正月ですので鏡餅のようなまあるいおまんじゅうのことを本年一番目の山中事情とさせていただきます。

「まんじゅう」と言えば、甘い「あん」が入っているものと青年期まで思い込んでいました。ホテル時代に中華料理の厨房で見た「肉まん」を知るまで、「まんじゅう」は甘い「あん」が入っているもの以外はないと思っていましたので、「肉まん」を初めて食べた時は、あまりおいしいという実感はなかった。
「肉まん」は中華料理の一つですが、それまで中華料理と言えばギョーザ、チャーハン、ラーメンと限定する位乏しい知識しかありませんでした。長じてホテルに入社し、中国料理の厨房を垣間見たその料理の数々に驚いたことは当然でありました。

●横浜中華街で一個五〇〇円の「肉まん」を買いました。横浜に住む二男の嫁のオススメの肉まんだったが、どう身贔屓しても、申し訳ないがおいしいとは思わなかった。それなら日頃スーパーで買っている三ヶ入り四〇〇円の方が私の口には合っていた。中華街だからと言ってすべておいしいと思ってはならないことを知らされた。(あくまでも個人的見解)

●関越道三芳パーキングエリア下り線側に「肉まん」の引き売り屋の車が止まっていた。呼ばれたごとくその車に寄って「肉まん」を買った。空腹だったので味は期待しなかった。が、私は間違っていた。なんと好みの味だった。もっと欲しいと思えど、すでに車中である。それも高速道路だ。Uターンは出来ず、あきらめた。一年後又寄ってみたが、そこにはその車はなかった。店舗営業でなかったので、その日だけのスポットだったか。残念。

●「肉まんに社運をかけました」という大層なキャッチフレーズを流したコンビニをテレビで見た。いつの間にか肉まん嫌いが肉まん好きになっていた私は、そのキャッチフレーズに反応した。社運をかけるほどの「肉まん」とは尋常ではない。何ほどのものかとそのコンビニに飛び込んだ。店員に「社運をかけた肉まんを下さい」と言ったのだが、きょとんとしている。私の顔をけげんそうに見て「これですかねえ?」と蒸し器の中の三、四種を指差す。アルバイトゆえ社長が言ったことなど知らないのだろう。突然奥に行って上司に聞いて来たのか「やはりこれ
だそうです」と又蒸し器のそれを指差す。その三種を買い「社運をかけたのだからきっと旨いよね、旨かったら又来ます」と言って来たのだが、未だ行っていない。答えは「社運をかけた」形跡が見当たらないからである。
結局、例の引き売り屋の肉まんがいかにおいしいか再認識した。
このコンビニの戦略を考えてみた。「社運」というコピーを流せば、私のようにすぐ反応する顧客が大勢いて期待を持つ。とりあえずは売り上げ増につながり、次の展開も考えられる。私のように次は買わない客と又買う客に分かれるが、そのコピーは「おいしい」とは言っていない。だが客は「おいしい」を求めている筈だ。やられたのである。
肉まん三題でした。

正月です「肉まん」も「鏡餅」もまん丸です。この年が円満な世の中でありますことを祈念しています。

宇ぜんホームページ
  http://www012.upp.so-net.ne.jp/mtd/uzen/


◆Ryu ギャラリー
 今月の一枚は「落」シリーズです。
  サイズはB3(51.5cm×36.4cm)です。
  (パステル+アクリル絵の具)
  お楽しみ下さい(写真貼付)。