★ Ryu の 目・Ⅱ☆ no.94

あの暑さは何だったのだろうかと思わせる今日この頃です。
すっかり秋になりました。今度は紅葉が楽しみです。

民主党の代表選も終わり、菅政権の再出発です。
難問山積。頑張ってほしいですね。

さて行動展も終わりました。美術館まで足をお運び下さった方々にはお礼を申し上げます。
出品しました三点の写真を添付しますのでご覧下さい。
尚、入選作品(大地の目覚め/白)の絵葉書が出来ました。ご希望の方にはお送りしますので、ご住所をお知らせ下さい。

では《Ryuの目・Ⅱ−no.94》をお楽しみ下さい。


◆今月の風 : 話題の提供は岸本雄二さんです。

−率直に話そう−

日本語、というよりは、日本文化といった方がよいかと思うが、とにかく日本人は形容詞を使いたがる国民である。例えば「一生懸命に頑張ります」、「不撤退の覚悟で全力を尽くして頑張ります」、「不退転の決意であり、身命を尽くして事に当たります」等など。どうも聞く側もこのような装飾過多の表現を期待している節がある。しかし、安部首相から始まって、福田、麻生、鳩山と四人の国家主席が一年前後の「仰天の短期間」で辞任してしまった。彼らが実際にどのような装飾過多の形容詞を使って、立候補をして、首相就任演説をしたか正確には覚えていないが、似たような形容詞の数々を使ったに違いない。

日本の贈り物の習慣は、気持ちの表現として悪くは無いが、時として度が過ぎて、受け取ったほうのお返しが重荷になったり、見返りを期待されていたり、とにかく複雑で、なかなか素直になれない。有名な何々賞の審査委員長宅への贈り物は、季節になると行列ができるといわれる。
勿論、気軽な家族同士の訪問などの際の気の利いた小さな手土産は、相互の気持ちを察し合い気軽に受け取ることができて、重荷にならず、人間関係の潤滑油となっている。これなどは万国共通の習慣であると思う。

政治家は何かというと「抜本的な改革」などといって、天地が逆さまになるような表現を使って、単なる「改良改善」を考えているのに、大げさな表現したがるのは困ったことだ。ほとんどの場合はそのつもりがないのであるから、「嘘」といっても差し支えない。要するに美辞麗句を並び立てたり大口をたたいて、その言葉の影に隠れて現実をかくそうとする、その傾向があまりにも大きすぎるのだ。経済や医療の政策、また過去においては戦争の作戦などに使われ、特に玉砕などと表現して作戦の失敗を兵隊の死と入れ替えに美化して、国民をも愚弄したりするにいたっては、単なる装飾過多の美辞麗句といっているわけにはいかなくなる。
政治家は、形容詞をはずして、裸の表現で内容のある実現可能なことを、素直に表明してみてはどうか。額面通りに受け取れるマニフェストを作って、国民がそのまま素直に期待できる内容の政策を表明して実行に移してもらいたい。
マニフェスト+実現方法=結果」この方程式を国民が理解できるように、形容詞なしで素直に表現できて責任のとれる政治家を選びたいものだ、と思う。    
2010年8月29日、クレムソンにて

管直人首相再選が実現したいま、日本の国際的威信をかけた普天間基地とそれに直接関係する自国日本の防衛の問題、経済回復の課題、教育環境の改善、などなど各種の課題が山積している。今こそ形容詞なしの率直にして、政府と国民が協力し合えるような表現と内容の問題提起をし、目に見える改善進歩をやり遂げてもらいたい、と願うのは私だけではないだろう。
2010年9月17日 クレムソンにて、岸本雄二


◆今月の隆眼−古磯隆生

−住処探し・その13−

設計の進捗状況を考えながら工務店探しも大切なポイントです。山梨には工事関係者はおろか設計関係者の知り合いさえも全くなく、何の手掛かりも情報もないなかからの工務店探しです。まずは、土地を紹介してくれた不動産屋さん(南ア観光http://www.kis-net.ne.jp/~nan-a/)に相談を兼ねての情報収集から取りかかることにしました。地元の不動産屋さんで、真面目そうな人柄がこういう場合にある種の安心感を与えてくれます。
工務店を見るこちらの基準は、まず誠実であること、設計者(建築家)の仕事をしたことがあること、の二点がポイントになります。この二点がクリアできて、後は、これまでに手がけたものを見せてもらえれば、仕事の具合が大体のところはわかります。
不動産屋さんは、希望に添えるかどうかはわからないので会ってみてくださいということで、白州の地元の工務店と請負をする若い大工さんの二者を紹介してくれました。
工務店のかたは現在進行中の住宅の設計図を見せてくれました。コストが気になったので質問をしましたが明快な回答が返ってきません。どうやらそれなりのコストのようで、決して安くはないようです。口ごもっていたのはそのせいでしょうか。工事内容についても二、三質問をしましたが、それほどの仕様ではなさそうです。これではダメです。いかにも地元で仕事をされてきた方との印象は受けましたが、誠実さと工事に対する確信が今ひとつ感じられませんでした。
大工さんの方は、自分で建てた自宅を見せて貰いました。まだ若い方で、これから脂がのってくるのでしょう。ご自分の思いこみを存分に発揮されたお宅でしたが、どうも私のデザインと合いそうにありません。これはちょっと違うだろうとの印象でした。
残念ながら工務店探しの初回はうまく行きませんでした。難しい条件を挙げてる訳ではありませんが、そう簡単にはいきません。まだ時間はあるので少しゆっくり探すことにしました。
しばらくして、妻の知り合いで、北杜市備前焼のお店をしてる方の店を訪れる機会がありました。建物を見るのが目的ではなかったのですが、シンプルな印象のお店で、建物の印象も悪くありませんでした。その方から、自宅も設計してもらったという白州在住の建築家の名前を紹介してもらうことが出来ました。地元で設計活動してる方からの情報は必要だと考えていましたので、有り難いことでした。この設計者とは東京に帰ってからメールで連絡を取り合い、後日会うことになりました。
まだ若いその建築家は、7年前に東京から白州に移住したということで、自分の家を自分の手で建設中でした(いわば設計施工)。初めてお会いしたのはその現場で、基礎工事が終わって程ない頃でしたが、気さくで人の良さそうな笑顔で迎えられ、地域の様々な建設事情や情報を提供してもらいました。感覚的にも違和感が感じられませんでしたし、信頼出来そうな印象を受けましたので、こちらの考え方や要望を伝え、それに適った地元の工務店を紹介してもらうことになりました。
つづく


◆今月の山中事情54回−榎本久(飯能・宇ぜん亭主)

−再び菅さんおめでとう−

民主党代表選は制度上致し方ないことかも知れないが菅内閣が発足してたった三ヶ月、多大な国難を抱えているにもかかわらず、結局選挙戦に持ち込まれた。
なぜ小沢氏は立候補を辞し、菅内閣に協力し、この国の今抱えている諸問題を解決すべく手を差しのべようとしないのか、不思議に思うのは私だけだろうか。それが挙党態勢であるにもかかわらず出馬された。
「国民の為」とはいったい誰を指しているのだろうかと私は訝かしく思った。それゆえ中身の無い、空虚な与野党間の選挙のようだった。しかし、結果は我等に近い考え方の菅さんが勝った。
政治は最高の権力闘争そのものだから、我々には計り知れない凄まじいことが彼等の頭の中の隅々まで張りめぐらされているのであろう。マスコミはその結果に丁々発止、百家争鳴だ。
新内閣は対立軸を明確にして、自民党化ではなく、定見を持って真の有言実行内閣を示して欲しい。それが民主党菅内閣に求められている国民の願いだ。不満分子に気遣うことなく、ていねいに施策をを成せば必ず報われる。背後には国民がいる。

 宇ぜんホームページ
  http://www012.upp.so-net.ne.jp/mtd/uzen/